戦友①職人、orenznero
一本目は、昨今話題になったorenznero です。
詳しいスペックはホームページなどに譲ることとしますが、「一回のノックで、芯がなくなるまで、0.2や0.3の芯を折ることなく書ける」という機構は、ぺんてるのフラッグシップモデルに相応しい素晴らしさだと思ったり。
発売以前から情報をネットで得ており、発売当日に購入したこのペン。特別な思い入れがあるように思います。
さて、まずは外観から。
表面がいい!
シボ調の黒とか、もう大好物です!
16角形の軸は、ぺんてるの伝統を踏襲しています。
中心のリングには、pentel の文字。出しゃばり過ぎず、優雅です。
くり抜いたような製品名の表示も、シャレオツ。
下に行くにつれて横線が少なくなるグリップのローレットは、見た目にも美しい。
ペン先の二段を見るとグラフ1000シリーズを想起しますが、先端の溝を見てオレンズシリーズであることを思い出すのです。
次は、持ってみた感想です。(外観だけでこんなに語ってしまった...。)
重心が低く、ペン自体が重めだからでしょうか。力を入れずにホールドできます。16角形の軸やグリップの溝も、指の位置をいい感じに規定してくれます。持ちやすい!
最後に、書いてみての感想です。
持った時の安定感がいい感じに働いており、次から次に書く意欲が湧いてきます。
ペン先のパイプが細いため、見晴らしも製図用シャープ並み。
しかし、いつものシャーペンの感覚で書こうとすると、中々書けない事があります。書けたとしても、ガリガリの書き味だったり薄くしか写らなかったり。
そんな時は、少しだけ立てて書いてみるのです。
そうすると...
大変書きやすい!
自動ノック機能を搭載しているネロのペン先は、常に紙面に触れています。その為、ペン先は基本滑らかに削ってあるのですが、強度の関係があるのかあまり広くは削ってありません。ネロの声に耳を傾け、その求めに従って立てて書く事で、滑らかに加工されたペン先を味わえるのです。
さらに、ペン先が常に紙面に触れるということは、万年筆と同様、だんだん書き手に馴染んでくる事を意味します。ネロの声を聞き続け、滑らかさが上がった事を感じる瞬間、そこに絆が生まれた事を知るのです。
気難しいが、きちんと環境を整えれば一流の仕事をこなすorenznero 。一流の職人を思わせるこのペンは、二次試験の数学の問題など、多くの文字を、細かく、早く書く事が求められる場面で使っていました。
しかし、もはや完全無欠に見えるネロにも、小さな欠点が一つあります。それは、自動ノック機能の関係上、どうしても避けられない微小なペン先の上下動。無論、上記の沢山の利点に比べれば些細な事ですが、アンチクルトガ派の僕にとっては意外と大きい事なのでした。
この欠点を補う、僕にとってはネロのバディのような存在。それこそが、次回紹介するグラフ1000ズなのです。